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ブログ 2019.7.18 あらためてのMUJI HOTEL GINZAご紹介 (後編)

MUJI HOTEL GINZAが開業までの背景についてを中心にご紹介した前編に続き、後編ではMUJI HOTEL GINZAの運営の面や特徴的な点についてさらにご紹介します。

MUJI HOTEL GINZAとSalonを統括しているのが総支配人の福島悠(ふくしま はるか)です。ホテルのレストランWAやSalonのスタッフを含めて50名ほどのスタッフを束ねています。

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銀座のまちから帰ってきてほっとするような場所、を目指していますが、実際に、ほっとする。落ち着く、というお声をよくいただいて嬉しいです。お部屋でゆっくり過ごされる方も想像以上に多いです。

現状、ゲストの半数ほどは海外からのお客様です。やはり無印良品のファンの方がとても多く、MUJI HOTELにも高い期待を持って訪れてくださいますので、それに応えられるよう、スタッフみんなで日々奮闘しています。

今後はスタッフが案内する銀座ツアーなども企画していきたいと思っています!

新しい仕組みや商品が生まれるホテルに

良品計画さんとMUJI HOTELの検討を進めて行く中で、ただ無印良品の看板をつけて、商品並べるだけでは意味がいない。新しい仕組みや商品が出てくるようなホテルにしなくては。という点はよく話に上がっていました。(梶原)

こうした考え方を背景にMUJI HOTEL GINZAは公式サイトとお電話でのみ予約を受け付けています(北京、深センも同様です)。どこから予約するかによって金額が変わるのはお客様にとっては便利ではないという良品計画さんの考えの下です。ホテルの客室は様々なサイトで様々な価格で販売されることが当たり前となっている中で、まさに新しい取り組みです。

また”新しい商品”の部分を体現しているものの一つにバスタブがあります。

無印良品の商品にはバスタブがありませんでした。色々探してみたけれど無印良品らしい納得できるバスタブがない。それだったら、つくってしまいましょう、とUDSでデザインをあげてホテルのために作ったオリジナルのバスタブです。MUJI HOTEL BEIJINGで開発したものを銀座でも使っていて、お客様からもとてもよい反応をいただいており、実際に商品化に向けて検討が進められているそうです。

客室では備え付けのタブレットから照明やエアコン、アラームを操作できるようになっています。(つまりリモコンやスイッチ的なものがほぼありません)タブレットには銀座のおすすめスポットマップも入っています。
客室では備え付けのタブレットから照明やエアコン、アラームを操作できるようになっています。(つまりリモコンやスイッチ的なものがほぼありません)タブレットには銀座のおすすめスポットマップも入っています。
アラームと連動してカーテンが穏やかに開いたり、照明が徐々についたりする設定で心地よい目覚めをお届けします。
アラームと連動してカーテンが穏やかに開いたり、照明が徐々についたりする設定で心地よい目覚めをお届けします。

無印良品を体験できる場

無印良品の商品を滞在を通して実際に体験できる場、という点もMUJI HOTEL GINZAの重要なポイントです。実際、客室備品の大部分に無印良品の商品を使用しています。

スリッパはMUJI HOTEL BEIJINGでも同じものを置いていますが、GINZAではよりお持ち帰りいただきやすいように巾着袋をつけました。パジャマも好評です。細かな部分をホテル仕様にしたものですが、ほぼ同様のものを店舗部分で販売していて、こちらも「買えますか?」というお問い合わせが多いです。

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「眠り」はホテルの再重要ポイント。MUJI HOTEL GINZAも心地よい眠りにこだわりました。マットレスは無印良品のもの。寝心地がとっても良いとの声がとても多く、店舗フロアでお買い求めになるお客様も多数いらっしゃいます。(MUJI HOTEL BEIJINGも同様の声が多いです)

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内装デザイン

かっこいいホテルはたくさんありますが、ほっとするホテルはあまりないんじゃないかと感じていました。ですので人が昔から寄り添ってきた木、土、石といった自然素材と天然素材の布を中心に、シンプルに心地よい空間にすることで、ほっとする空間にしたいなと考えて取り組んでいました。(内装設計担当 COMPATH伊東圭一)

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コンセントの収まりや、備品の収まりなど細かい部分にもこだわっています。
コンセントの収まりや、備品の収まりなど細かい部分にもこだわっています。
また、時間が生み出す風合いの豊かさを感じていただけるようような素材を取り入れているのも特徴で、フロントの壁には100年以上前に東京を走っていた路面電車の敷石を使っています。
また、時間が生み出す風合いの豊かさを感じていただけるようような素材を取り入れているのも特徴で、フロントの壁には100年以上前に東京を走っていた路面電車の敷石を使っています。

MUJI HOTELのコンセプトはアンチゴージャス・アンチチープ。これをホテルにどう表現して落とし込んでいくいくか、はとても難しいチャレンジでした。

銀座にできる新しいホテル。真新しいピカピカのものももちろん気持ちがよくていいけれど、長い時間だけが作り出すことのできる味わい。それはものすごく豊かなものであるので、それを感じてもらえるように、マテリアルとしてセレクトしました。(内装設計担当 COMPATH伊東圭一)

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実際の敷石はかなり厚さがあったのでそれをスライスし、パズルのように壁部分に入れていきました。実はスライスした石の残りは、喫煙室の長い灰皿に利用しています。

ホテルのレストラン「WA」では壁の一部分に古い船の廃材を使用。船の解体現場から自分たちでピックアップしてきた船の鉄板を使っています。また、入り口の版築の壁は有楽町店のあった場所の土を加えて、土地の記憶を混ぜこんでいます。

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日本各地のふるさとの味をお届けするレストラン

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6Fのフロントと並ぶ空間に朝食から昼食、夕食まで提供するホテルのレストラン「WA」があります。その名の通り和食を提供するお店ですが、日本各地のふるさとの味をお届けする、というコンセプトを掲げています。

どこの国でも、地域でも、そこで生まれ、暮らす人たちに食べ繋がれてきたものには、その時々の自然の恵みを無駄なくおいしく食べる、知恵と工夫が詰まっています。
そこで生まれ、暮らす人たちが、地域で受け継いできた味。
WAでは日本各地のくらしとともにある味をお届けします
(MUJI HOTEL GINZA HPより)

実際に料理長がテーマとする地域を訪れて生産者さんや食文化の担い手を訪ね、その土地の風土に触れて、メニューに落とし込んでいます。

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テーマとする地域は3ヶ月ごとに変わっていく予定で、4月から6月までは大分の、7月から9月までは山形のふるさとの味をお届けしています。

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長くなってしまいましたが、こんな背景でMUJI HOTEL GINZAは開業し、日々お客様をお迎えしています。おかげさまで日本はもちろん、世界各国からたくさんのみなさんにお越しいただいています。

内装に時間の経過とともにより良さが出てくる素材を使っています。この銀座というまちに溶け込み、ゲストに永く愛され、時間とともに魅力が滲み出るようなホテルを目指して努力を続けていきますのでどうぞよろしくお願いします。(開業時の梶原挨拶より)

銀座のまちのみなさま、末長くどうぞよろしくお願いいたします。

とても便利な場所にありますので、銀座にお越しの際にはぜひ気軽にお立ち寄りください。お待ちしています。