日本橋浜町KAWAJUNのショールームで開催されたトークイベント「HAMACHO TALK NIGHT 001/日本橋浜町のまちづくり」に、UDS会長の梶原が安田不動産の須川和也さんと共に登壇しました。ファシリテーターは自身も浜町でブックカフェ運営やイベントを仕掛けるgood morningsの水代優さん。
「あなたのクリエイティブ心を刺激する特別な夜に！」と題し、2月に開業したHAMACHO HOTELをはじめとした浜町のまちづくりを深掘りし、終了後は参加者を巻き込んだセッションや交流会も開催されました。
安田不動産のまちづくりの歴史
まずは、浜町のまちづくりを手がける安田不動産の須川さんから、これまで手がけてきたまちづくりの歴史、日本橋浜町の変遷を紹介。
97年からFタワーやトルナーレなどのビルを開業し賑わいを見せていましたが、徐々に周辺エリアに競合となるビルが増えてきました。そんな中『まちとしての地位を上げていこう』と方向転換し、ソフト面を含めた浜町のまちづくりが始まったのが5年ほど前です。
デベロッパーは通常小さな大きな土地をかき集めて大きな敷地とし、ビルやマンションを作っていくのが普通ですが、今回私たちは小さな駐車場であったところに、小さいけれど個性的なお蕎麦屋さんや文房具屋さん、ブックカフェを誘致するなど"街なかテナント"を誘致し、賑わいを演出していきました。今後も、魅力的なプレイヤーが集まるよう新しいプロジェクトを仕掛けていきます。
2月に開業、HAMACHO HOTELの今
続いてUDS梶原より、2月に開業したHAMACHO HOTELについて詳しくご紹介します。
HAMACHO HOTEL は『手しごと』と『緑』のみえる街、というまちづくりコンセプトを体現するホテルとして2月に開業しました。外観での大胆な植栽の作りこみは、クリエイターとしても貴重な機会になりました。
ホテルの企画・設計面をはじめ運営面についても触れ、訪れるゲストの様子を紹介していきます。
デザイン性とともに、使い勝手や居心地の良さを強く意識しています。例えば、15 m2 のお部屋でもデスクを入れてしっかりと仕事ができるように設えたり、足を伸ばしてくつろげるソファーを置いたりしています。
デザインホテルと言われることもありますが、それ以上に基本の機能をしっかりと考えているんです。最終的にはサービスも含め基本をしっかり積み上げることで、もう一度来たい！とリピートいただけるように工夫を重ねています。
HAMACHO HOTELのゲストは、日本人（54%)、欧米(23%)、アジア・オセアニア(22%)、その他(1%)という割合。いま日本を訪れるインバウンド全体のうち、中国/韓国/台湾で75%を占めると言われていますが、HAMACHO HOTELを訪れるのは欧米のゲスト割合が多いのが特徴。植栽の豊かな外観のビジュアルの影響が大きいのではないかと思います。
浜町をキーワードに、トークセッション
続いては、会場も巻き込んでのトークセッション。スクリーンに映し出された9マスのトークテーマの中から、参加者が気になる質問を投げかけ、答えていきます。
Q. 浜町のポテンシャルとは、何だと思いますか？
梶原：ホテルのゲスト割合の話もしましたが、浜町に意外と欧米の方が多いエリアになってきていると感じます。都心にありながら、空港からのアクセスが良くホテル立地として良い、ということもあると思います。
以前、CLASKA（東京・目黒）を手がけた時に、遊ぶ場所、働く場所、住む場所が一体となっていて、そこにコミュニティがある、ということを目指したんです。
浜町は、既にオフィスがあり、住宅があり、ブルーノートさんの手がける「SESSiON」のように遊ぶ場所、そして今回ホテルができました。今後も新しいホテルが出来ていき、この流れが伝播していくといいですね。
水代：編集者の視点で見ると、今までは「家族」というターゲットのみだったエリアが、渾然一体となる面白さが生まれ、一気にまちが勢いづいてきたかな！という印象があります。
Q.他のまちとの比較をすると？
梶原：個人的に、まちには高級なものも必要である一方、「居心地の良さ」も必要だと感じています。都心だと値段が高くなりがちですが、HAMACHO HOTEL は1万円代で泊まれる部屋が多く、ちょうどいい空気感で居心地の良い存在になれると良いなと思います。
Q.これからの浜町にどんなことを期待しますか？
梶原：50年後、日本の人口は大幅に減っていきます。アジアは豊かになる一方、日本全体がシュリンクしていく中で、浜町はどうなっていくかは大きな注目です。安田不動産さんというリーダーがいるこの浜町のまちづくりが、一つのロールモデルになるといいと思います。
この日は、浜町エリアで働く方や住んでいらっしゃる方を含め、平日夜にも関わらず60名近くの皆さんにお集まりいただきました。この後も変わりゆく浜町のまちづくりに期待を込めた質問が続きました。
Hama Houseでまちとつながる交流会
トークイベント終了後は、会場至近のHama Houseへ移動し、交流会がスタート。
この日はHAMACHO HOTELの運営メンバーや、ツアー会社ELLISTAのメンバーも参加。交流会は浜町の地で新しいつながりを生む、ありがたい機会にもなりました。
魅力的なプレイヤーの集まる浜町で、まち全体の盛り上がりに期待が高まる1日。主催いただいたKAWAJUN様、そして安田不動産様、good mornings様、貴重な機会をありがとうございました。
