photo_1

ブログ 2019.8.22 【誉都思だより/北京】中国で急成長し続ける英語学校の教室を設計

大家好!(ダージヤーハオ!)初めまして、北京オフィスの森茂です。

北京の夏は9月末まで35度越えの猛暑日が連日続きます・・・。日本の暑さとは異なり、北京では日差しが強く外に出ると一気に体力を奪われるような厳しい暑さです。

こんな時期には「北京ビキニ」スタイル(Tシャツをまくり上げてお腹全体を出す)の叔父さま方や涼を求めて地下鉄駅構内やデパートなど集まる人々など、中国の夏の風物詩をあちこちで見かけることができます。(笑)

今回の誉都思だよりでは、8月でも平均気温が20度と涼しい雲南省昆明(ウンナンショウコンメイ)にあるこども英和教室の事業企画と設計を手がけたプロジェクトをご紹介します。

中国で最も勢いのある英語学校からの依頼

雲南省は中国の南西に位置し、タイやラオス、ベトナムに隣接し多くの少数民族が共存している省です。省都である昆明市は、史跡や自然をはじめ様々な少数民族による異文化を感じることができる場所として、近年中国でも有数の観光地でもあり歴史文化都市としても認定されています。

今回ご紹介するプロジェクトは開発が進む昆明市の中心部に位置し、文化教育事業などを手がける阳光心霖儿童公社(通称C&F)による英語学校です。誉都思では英語学校の教室の設計や、オフィスの企画、設計を担当しています。

photo_1

C&Fは2006年に現CEOのCodyさんが設立し、生徒数と入学待機児童数が計5万人以上という中国西南地区最大級の英語学校です。また、現在中国国内で話題の人気書店と共に、英語の書籍だけを集めた中国西南地区最大級の図書館事業なども手がける勢いのある企業です。

photo_2

Codyさんは中学校入学と同時に単身アメリカ留学し、ホームステイ生活や学業を通して英語が話せるようになることで、自分の世界が広がることを実感しました。その一方、留学中は中国の両親に会えない寂しさも経験し、大学卒業と同時に故郷の昆明に戻り留学先で感じた英語教育と本が持つ可能性を中国の子ども達にも伝えていきたいという想いから、親子で学べる場を創ることを決めました。

photo_3

これまでC&Fが手がけてきた教室は「まだ見たことのない教室」という共通コンセプトの下、自社で設計されてきましたが運営を行う上で数々の問題が発生していたことから、企画、設計から運営まで一気通貫で行うUDSグループへご相談をいただきました。

教育、本、観光、様々な視点から日本を視察

そして昨年の12月にはCodyさん自ら来日し、UDSが企画、設計から運営までを手がける学生寮や学童、書店、ホテルなどをはじめ、日本で話題になっている場所をご案内しました。

Codyさんが視察の中で一番注目していたことは、間口の狭い日本の店舗に出入りする多くの人が、どように混乱することなく移動できるのかという導入計画です。「現在の教室は授業の開始、終了時は毎回千人以上の人がごった返している状況で、より安全かつスムーズに移動できる空間にしていくために狭い土地ならではの工夫を見てみたい。」と話していました。

▼UDSが企画、設計、運営を手がけるNODE GROWTH 湘南台と神保町ブックセンター。
企画や運営を担当したメンバーからの説明に真剣に耳を傾けていただきました。

photo_4
photo_5

エンドユーザー視点から生まれた新たな教室

日本で様々な施設を見て回り、Codyさんから改めて「中国にはまだ無いデザインでありながらも、エンドユーザー目線で子ども達や保護者、教師が安心感して過ごせる空間を創ってほしい。」とご依頼をいただきました。

C&Fでは家庭学習にも繋がるよう、授業には保護者も必ず同席し先生の教え方を学ぶというスタイルの教室です。その為、教室内では子ども達と保護者、どちらも居心地よく過ごせるためのデザインや家具配置が求められます。

しかし、いざ企画や設計を始めると機能性とデザイン性のバランスに苦戦し、何度も議論を重ねてきました。そして、木やガラスを採用し、教室の通路側の壁をガラス張りにすることで子ども達のモチベーションアップと外部へのアピール効果があり、圧迫感がなく温かみのある空間にデザインしました。

photo_7
photo_6

また、子ども達がリラックスして勉強できるような色味や照明計画、保護者が教室内で子ども達の様子が見やすい座席配置や先生の声が聞きやすいよう吸引効果を持つ素材を取り入れ、先生方のパフォーマンスも上がるように設備配置を行うなど細部まで工夫を凝らしています。

photo_8

本プロジェクトは誉都思だけでなく、日本のUDSで教育や書店の企画や運営も手がけるメンバーの協力もあり、Codyさんをはじめ教室を利用する子ども達や保護者からも好評をいただいております。

そして新たに約4500 m2 という規模の教師用オフィスの企画、設計のプロジェクトをはじめ、5つのプロジェクトが同時に進行しています。今後は東京・上海・北京の拠点が一体となり中国の英語教育事業を盛り上げていきたいと思います!

今後のC&F様との展開も引き続きご紹介していきますので、ご期待ください!