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ブログ 2019.10.29 地域の資源や伝統技術を活かしたものづくりと施設設計-建築から建材、家具、小物まで

先日、中小企業基盤整備機構(中小機構) 近畿本部にお招きいただき、UDSの取り組みの紹介と、近畿地方の中小企業の技術や商品についての意見交換をさせていただきました。

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中小機構は、自治体や支援機関、国内外の政府系機関と連携しながら中小企業の成長をサポートしている独立行政法人です。様々な業界のバックグラウンドを持つ専門家や職員の方がその知見を生かして、地域資源や特性を活かしながら技術や商品を開発している企業を多く支援されています。

UDSさんとお話して想いなどを伺っていく中で、
・素材を大事にされる
・技術を大事にされる
・質を大事にされる
・感性を大事にされる
・ストーリーを大事にされる
そういう会社だなと感じていました。近畿にもまさにそれをお持ちの企業がたくさんいらっしゃるので、ぜひ技術や商品を紹介しながら、UDSさんの視点を交えて意見交換ができればよい機会になる、とこれまであたためてきた企画です。(中小機構 近畿本部 シニア新事業支援マネージャー 多田さま)

と、初めての取り組みとなった今回の会の経緯について紹介くださいました。

地域資源を活かした施設設計とまちづくり

参加させていただいたのは設計を統括するCOMPATH事業部から、建築分野の高宮大輔、建材や家具、プロダクトを手がけるチームsu+(スプラス)でプロダクトまわりを担当する谷口千春、同じくsu+で建材まわりを担当する塚本加世子の3人。まずそれぞれの分野の視点でUDSの実績を紹介させていただきました。

ホテル カンラ 京都客室
ホテル カンラ 京都客室

「ヘッドボード上のアートは銅板、和紙(表具屋)、エンボス加工の会社さん3社で京都の3つの技をリレーして作り上げたものです。3社の違う技術を組み合わせて行くというのは正直手間がかかります。でもそれぞれからアイディアをもらいながら、時にはそれを実現するために前に戻ったりしながら一緒につくっていくことはとても楽しいですし、その手間を惜しまずちゃんとやることで、お客様に響く、いいものができると思っています」(高宮)

the rescapeの共用プール
the rescapeの共用プール

「海の色と呼応した、海を感じられるような色にしたいとのリクエストで、タイルをインドネシアから入れました。su+の建材ではコンセプトを体現できるような建材を探してきて使っています」(su+ 塚本)

the rescapeの琉球藍をつかったテキスタイル
the rescapeの琉球藍をつかったテキスタイル

「テキスタイルはお客様の目につく部分に多く展開でき、手で触れていただくことができます。雑貨にも展開しやすく、ホテルの体験をお土産として持って帰っていただけるので、テキスタイルはホテルを表現するのによいアイテムだと考えて取り組んでいます。その地域のアーティストや作家の方々とよくお仕事をさせていただいていますが、伝統を生かしながら次の時代へつなげていく視点を大切にしています」(su+ 谷口)

そして、当日参加くださった事業者のみなさんからも、それぞれの技術や商品を紹介いただきました。

着物の生地をガラスで挟んで「絹ガラス」として、伝統工芸の技をインテリア素材として現代に転用されている企業や、京からかみを軸に新たな技術で商品開発している企業、国産材を使った木製品を扱う企業など。伝統技術や地域資源を、時代に合わせて革新して展開されています。

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「発想力を組み合わせたら建具にもなるし、アートにもなりますね」
「小物への展開を考えると、撥水加工やシワ加工が施せると良さそうですね」
など、それぞれの素材をどう生かしていくかについて、建築、建材、プロダクトのそれぞれの観点から質問や意見をお話させていただきました

会を終えて

完成品のものをみる機会は多いですが、加工業者さんのお話を聞く機会は限られているので、日本の加工業者さんの力のすごさを改めて認識することができました(塚本)」

みなさん、一歩二歩先を考えてアクションされているのがよくわかりました。その土地々々で地域らしさを表現していきたいなということは常に思っているので、素材の良さや技術を知れたのはもちろんですがその土地で汗を流してものを作っていらっしゃる方のお話を直接聞かせていただけることはとても貴重で、今後のプロジェクトのヒントをたくさんいただきました。(高宮)

su+のsuは素材の素から来ています。素材に着目してその良さをどう引き出すか、ということをテーマに建材から家具、テキスタイル、プロダクトまで手がけるチームですが、今後、それらを一つの素材で一続きにやりたいと考えています。例えば、カウンターから家具、ペイパーウエイトまでを同じ素材を使ってつくる、というふうに。今日はそのためのヒントを多くいただけました。(谷口)

企画から設計、運営まで、さらに設計では建築から建材、家具、小物まで手がけることでそれぞれの地域の魅力を発信していくことを目指すUDSの取り組みは、こうした地域のみなさんの想いや技術があってこそ、ということを、改めて理解させていただく機会になりました。とても貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

su+では世界各国から調達したUDSオリジナルの建材や、パートナーメーカーの扱う建材の提案・販売、地域の魅力を引き出すオリジナル雑貨やホテル備品を手がけています。企業とのコラボレーションアイテムなども取り組んでいますのでぜひお気軽にcontact@hello-suplus.jp までお問い合わせください。