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UDSのプロジェクト・デザイン—梶原が「企画」の視点からの空間づくりをお話ししました

 

テンポロジー・サロンVol.59 「神宮前から考える“第三の空間”」(主催:一般社団法人テンポロジー未来機構)に、会長の梶原が、国内外で注目を集めるデザイン事務所トネリコ米谷ひろしさん君塚賢さんと共に登壇。トネリコさんは「デザイン」の視点から、一方梶原は「企画」の視点から空間づくりについてお話ししました。

「デザイン」のアプローチでの空間づくり。アーティゾン美術館のデザイン

トネリコのお二人は、アーティゾン美術館(旧ブリジストン美術館)を最新事例として紹介しながら、「デザイン」視点での空間づくりを語ります。

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今年1月にリニューアルオープンしたばかりで、大きな話題を集めているアーティゾン美術館(旧ブリジストン美術館)。トネリコさんは内外装を含む美術館デザインの他オリジナル家具の制作も手がけられました。

▼200枚を超えるスライドを使いながら、プロジェクトの裏側をご紹介いただきました

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まちに向けて開かれた美術館であり、”美術”という敷居を下げてあらゆる人が楽しめる場にするということも目指したというプロジェクト。デザインの過程で、お二人が意識したというのが「不揃いの自然体」だと言います。

「全体的に、整理整頓をしていくデザインなのですがそれでできるものは基本的に普遍的なもの。全部がそうだと、退屈になってしまう。あえて不揃いな部分を作ることを意識しました。全体の整合性をとるアルゴリズムの中に、人の直感で感じる様なアート作品などを入れていくということをやっています。そして、あえての余白をうまく空間の中に作ることも心がけています。通常の商業店舗では中々できないようなチャレンジを、美術館という空間で表現しました。」

プロジェクト・デザイン=空間をどう作っていくかの企画

続いて梶原は、「企画」の視点から空間づくりをお話しします。

「私も”いい建築を作りたい”という根っこは一緒。今日お話しするのは「プロジェクト・デザイン」=空間をどう作っていくかの企画です。企画は、営業職だけではなく、ファシリテーターやコーディネイターという側面もあります。”デザイン性、事業性、社会的意義“があるものをクライアントに提案していくのがUDSの企画です。その中で仕組みづくりもしていきたい。そうすることで日本のまちづくりの役に立てるのでは、と思っています。」

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人口減少とリノベーション、環境問題。ホテルCLASKAを企画したきっかけ

梶原が手がけた企画の事例として、築34年の老朽化したホテルをリノベーションしたデザインホテルCLASKA(2003年)が誕生したきっかけを紹介。

日本の人口推移を見ていて、ふと「新築住宅がそんなに必要なのかな?」と思ったんです。当時日本は年間数十万戸の新築分譲マンションが供給される時代、一方イタリアなどヨーロッパでは多くの建物がリノベーションをして使用されていました。日本の人口は100年後には4800万人まで減少する見込みという中、新築ばかりを作る必要はないと感じましたし、設計事務所としてリノベーションやコンバージョンを手がけていく必要があるのではと考え始めました。

 

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加えて、環境問題への問題意識がありました。建築家としてできることとして、建物を単なるリフォームではなくより良い形で魅力的に使うことで、古い建物をもっと生かそうというムーブメントを起こせるのではないか、と考えたんです。それには人の注目を集めるような建物が適しているということから、ホテルのリノベーションプロジェクトCLASKAの誕生につながりました。
クリエイターがどう「暮らすか」と提案し、ギャラリーやクリエイター向けのコワーキングスペース、ロビーとカフェが近接した空間をつくりました。さらに今までのホテルの概念を取り払い、コンパクトでも広く見えるよう窓際に水回りのあるデザインの客室や、入居者自身でデザインできるサービスアパートメントなど新しい仕組みづくりにもチャレンジしました。

 

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梶原からは、他にもホテル事例ではMUJI HOTEL BEIJINGホテル アンテルーム 京都ホテル カンラ 京都、商業施設ではWEEKEND HOUSE ALLEYの事例を紹介。企画・設計・運営それぞれの立場の意見を取り入れ事業性を保ちながら企画をしていく、UDSらしい空間づくりの過程を語りました。

2020年以降、これからの空間づくり

最後に、今後の空間づくりの展望を語りました。

「この10年はシフトの時期だと思います。日本の建築は人口減少もありチャンスが減っていく一方で、インバウンド市場や海外市場にはとても注目しています。インバウンドに評価いただけるホテルを国内で作っていくことと、海外への進出も積極的に行なっていきたい。現在、UDSでは中国や韓国、スリランカでもプロジェクトを進めていますが、アジアに出ていくと、日本のクリエイティブは求められているという実感もあり大きなチャンスを感じています。」

▼トークの後は、プロジェクトパートナーとしてもお世話になっているトネリコのお二人と

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ご来場いただいた皆様、ご一緒いただいたトネリコ様、このような場を提供いただいたテンポロジー未来機構様、貴重な機会をありがとうございました。