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ブログ 2020.11.6 「地域に愛される店づくり」こだわりと愛情がぎゅっと詰まった「角川食堂」

今年8月に開業した、株式会社KADOKAWAの社員食堂 兼 まちのレストラン「角川食堂」。地元生産者さんの食材も使用した6つの定食メニューから選べるバラエティ豊かな食堂で、UDSが企画と運営を手掛けています。その角川食堂のある「ところざわサクラタウン」は、11月6日にグランドオープンを迎えました。

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今回は、角川食堂の企画を担当したUDSのに、プロジェクトの背景や想いを聞きました。

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プロジェクトのきっかけを教えてください。

株式会社KADOKAWAの製造・物流拠点と共に、美術館・博物館・図書館をはじめイベントスペースやレストラン・ホテル・ショップなども備えた日本最大級のポップカルチャーの発信拠点として構想されたのが「ところざわサクラタウン」。その施設内に、KADOKAWAの従業員の食生活をサポートする社員食堂が計画されていました。もともと所沢市の浄化センターがあった場所ということもあり、まちへの視点をもった、まちの人の交流がある場所にしたいという思いがあったようです。UDSは「地域に愛されるお店づくりが得意」ということで、選んでいただいたと聞いています。KADOKAWA社員にも、地域のみなさんにも愛される、物語のあるみんなの食堂をつくろう、ということでスタートしました。

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角川食堂はとくにカレーにこだわっていますね。

そうですね。「食堂」って、目的があって行く場所というよりは、「なんとなく食べに行く」ような、日々の食事に寄り添う場所だと思うんです。でも、何かフックがあった方が、より多くの方に来ていただけるはず。そういうことを考えていたなかで、KADOKAWAの社員の方にアンケートを取っていったところ、料理関係書をはじめ、アニメや映画など物作りに携わる多くの社員の方々が、カレーへの強いこだわりを持っている、ということがわかりました。そこで社内部活として「角川食堂カレー部」を立ち上げることになったんです。

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オリジナルのガラムマサラをつくったり、試食会を重ねたりしていくなかで、「単なる欧風カレーではなく、ミールススタイルで提供するオリジナルカレー」という軸が定まっていきました。スリランカ風のカレーで、味を混ぜながら食べるスタイルです。結果として、ところざわサクラタウンの"コンテンツミックス"感も表現できたかなと思っています。

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さらに、「ここまでこだわってつくったスペシャルなカレーだから、お皿もつくろう!」ということに。磁器作家のイイホシユミコさんにお願いして、直径や深さ、角度もオリジナルの、角川食堂カレーがおいしく食べられるお皿をつくっていただいたんです。

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地元の生産者さんとの関わりはどのように?

東京の会社がいきなり埼玉に来た、となると、少ならからず地元の方からの反発というか、抵抗感は与えてしまうかな、という懸念がありました。そこで、すべてを外から持ち込むやり方ではなく、地域のプロフェッショナルのみなさんと一緒に取り組み、「地産地消」を大切にしたお店づくりができないかと考えたんです。具体的には、地元農家さんから仕入れる新鮮なお野菜を使用したり、地元の小麦粉農家さんの小麦粉を使用して、同じく地元のパン加工ができる会社さんにオリジナルの配合でつくってもらったパンやケーキをメニューとして提供したり。お店のおみやげコーナーのピクルスも、地元でピクルスをつくっている方のものを販売させてもらっています。自分たちだけでやるよりもずっと多くのことが実現できているし、「地域の方と一緒にお店をつくっている」という実感があります。

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2年を超える長いプロジェクトでしたが、取り組んでみていかがでしたか?

今回の一番のキーは「地域の人から愛着を持っていただく店づくり」だと思って取り組んできました。地のものを使う、地産地消を実現していく。一時的に流行ってすぐに忘れ去られてしまうようなキャンペーン的なものではなく、本当に愛されるお店をつくろう、とずっと思ってやってきました。KADOKAWAの担当の方とその点で共通認識を持つことができ、同じ方向を向いて取り組めたことがとてもよかったと思っています。

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プロジェクトの開始当初、社長さんをはじめとしたKADOKAWAの方々には、UDSの原宿オフィス1Fのリラックス食堂 原宿にも足を運んでいただきました。「原宿のなかでもひっそりとした場所にあって、それでもこんなに人で賑わっているのは、地域の人に愛されている証拠だ」とおっしゃっていただいたのは、とても嬉しかったですね。

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8月の開業以降、多くのお客さまに足を運んでいただいています。考えてきたことがかたちになり、こうして評価をいただくのは、とても嬉しいですし、やりがいを感じます。

11月6日からは夜の営業も開始。ここでしか味わえない地域の味を、ぜひ食べにいらしてくださいね。

角川食堂 公式HP:kadoshoku.jp