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持続可能な社会に向けたホテルのありかたは?ホテル エディット 横濱の場合

 

気候変動、格差、人種、ジェンダー……これまで慌ただしい毎日によって覆い隠されていた世界のひずみが、コロナウィルスを一つのきっかけにあぶり出されてきました。

持続可能な、よりよい社会について立ち止まって考え、行動しなくては、と感じている方も増えているのではないでしょうか。

UDSの運営拠点でも、日々現場に立つスタッフたちが、持続可能な社会に向けて自分たちのホテルでできることは何か、ということをあらためて考え直し、小さなことから、ではありますが、取り組みを始めています。

どういう想いで、どんな取り組みをはじめているのか。ホテル エディット 横濱に在籍し、各施設のサステナブルな取り組み推進担当者をまとめる 小村 に聞きました。

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世の中の動きが緩やかになって考えた「これから」のこと

コロナの前はおかげさまで毎日忙しく、とにかく日々お客さまをお迎えして安全に運営することで精一杯でした。使い捨てのプラスチックかみそり、プラスチック歯ブラシ、毎日のベッドリネン交換など、環境にはよくないな、と思いながらも、日々の忙しさの中で、新しい仕組みを考えて構築する余裕はありませんでした。

そんな中コロナ禍で、ホテルはもちろん、世の中全体の動きがスローダウンした時に、「もうちょっと環境負荷の少ない、いいホテル運営の仕方があるんじゃないか」と思ったんです。

今後持続可能な社会に向けての意識を持ったお客さまも増えていくはず。苦しい時期だからこそ、今後に向けた取り組みを始めよう、ということで去年の秋くらいから少しづつ、サステナブルな取り組みについての知見やネットワークを持っている方たちと情報交換し、できることを模索していきました。

そんななかで出会ったのが、横浜エリアでフードロスに熱心に取り組まれているNPO法人フードバンク横浜さんでした。

必要な方へ、必要な食料を

エディットでは129室というホテルのオペレーション上、多くのお客様に朝の限られた時間で朝食を提供するために、コロナ以前はブッフェスタイルをとっていましたが、やはりどうしてもご用意した食事が余ってしまいます。

まだ食べられる状態の料理たち。これをそのまま廃棄してしまうことに課題感を持っていたこともあり、フードロスという点でなにかご一緒できないかと、フードバンク横浜さんとお話しする機会をいただきました。

フードバンク横浜さんでは、食品企業や一般家庭から提供された食料を、必要とする福祉施設や生活困窮者などへ無償配布する「フードバンク」の活動を、横浜市内4カ所で月に1回行っていらっしゃいます。通常会場にしている公共施設がコロナのワクチン接種で使用が難しくなっていることを伺って、5月と6月に、1Fレストラン EDIT DININGで配布会場として協力させていただきました。

今月7月はホテルの上にあるマンションの住民の皆さんにもお声がけをして、賞味期限の切れていない食料を近隣住民の方から集める「フードドライブ」の会場としても協力しました。

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この会場協力を今後も引き続き行なっていきながら、エディット自体のフードロスの問題については、(ブッフェスタイルではなく)プレートスタイルを続けていく方向性で検討を進めています。

足元の「できること」から

という具合にまだまだ小さな一歩から、というところなのですが、他には、

一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンさんと、ホテルのゼロ・ウェイスト認証制度*を作るべく、取り組みを進めていたり、
*ゼロ・ウェイストに取り組む事業所を独自の基準で公的に認証する制度

現状使い捨てを前提にご用意している客室アメニティのあり方について協議を進めていたりしています。

お客さまのことを思いやって、先回りして整える、という日本のおもてなしは素晴らしいと思いますし誇りを持っていますが、使い捨てアメニティの完備などは、持続可能な社会を考えた時に少し行き過ぎなのかもしれない、と思うところもあります。ホテルという非日常の空間で快適に過ごしていいただけるように、という想いはこれまでと変わりませんが、持続可能な社会のホテルのあり方に向けて、少しづつでも考えて、変革していけたら、と思っています。

そのためにはまず何よりも、働く私たち自身の意識から変えていくことから、と思っています。

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事務所のゴミを減らすため、今月ゴミ袋を何回替えたかを見える化する「ゴミ袋カウンター」を設置したり、毎日何百枚と出ている予約に関する紙も可能な限り減らせるように工夫したり、他のUDSの施設の取り組みも参考にして取り入れながら、少しづつ始めているところです。

環境負荷の視点とは少し違うのですが、地域の小学校と連携してエディットを「子ども110番の家」として登録することを現在進めています。開業して6年、もともと地域の子供達が「お手洗い貸してください」や、「絆創膏貸してください」と言って立ち寄ってくれるようにもなっているので、まちのハブとして、地域の人たちとのつながりをより深めながら、スタッフみんなの知恵を絞って、足元の、できることから一つづつ積み重ねていきたいと思っています。