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ブログ 2017.7.4 日本建築家協会主催セミナーに設計部 執行役員吉本が登壇しました

日本建築家協会主催「アメリカ広葉樹 日米建築家懇談会」に、設計部 執行役員吉本が登壇。

セミナーでは、日本建築家協会所属で著名な建築家である片倉隆幸氏、米ワシントン州の建築家でビル・ゲイツ氏自邸の設計者としても知られるJames Cutler(ジェームス・カトラー)氏を迎え、講演とパネルディスカッションが行われました。吉本がカリフォルニア大学バークレー校にてJames Cutler氏に学んだことから本イベントへの招聘が実現し、吉本自身もパネリストとして意見交換に参加しました。

James Cutler氏
1977 年よりカトラー・アンダーソン建築設計事務所を共同主宰。
土地や計画、そして文化的環境についての造詣の深さで知られており、事務所は全米及び地域レベルで 50 以上のデザイン賞を受賞している。
全米5州の登録建築家であり、ダートマス大学、ハーバード大学大学院、カリフォルニア州立大学バークレー校をはじめ、ペンシルバニア、オクラホマ、ワシントン、オレゴンの各州立大学で建築デザインを講義する。
http://www.ahec-japan.org/2017sendai-1.pdf

片倉隆幸氏
芝浦工業大学大学院建築計画みねぎしやすお研究室修了。
1987年片倉隆幸建築研究室を設立し、住宅作家として活動を始める。
2008年より信州大学工学部建築学科非常勤講師を務める。
日本建築学会「北陸建築文化賞」、長野県建築文化賞最優秀賞など授賞。
http://www.jia-kanto.org/jutaku/architect/member/katakura/index.html

片倉氏は「家族の居場所と奥への試み」、Cutler氏は「建築材料への畏敬」と題し、実際の建築事例からお話いただきました。

その後、アトリエ六曜舎 湯浅氏、UDS吉本を加えた4名で、アメリカと日本の建築家の環境建築への取り組みや、アメリカ広葉樹を含む住宅木質内装材等について意見交換を行いました。

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吉本はアメリカと日本の建築家の環境建築への取り組みに対し、Cutler氏の授業を振り返り、「ナパバレーの森で出された、木を一本も切らずに宿泊施設を設計する課題は、まさにCutler氏の自然に対する畏敬の想いが現れていると感じた」とコメント。

「Cutler氏は、常にクライアントのニーズと土地のリサーチに時間をかけており、このような利用者と環境に優しい建築こそ、長く愛されるサステイナブル建築になる」と続けました。

「アメリカと日本の建築家の木質内装材利用に対する考え方」のテーマでは、「アメリカから帰国して、日本でフェイク(偽木)建材がここまで浸透していることに衝撃を受けた」と吉本。

「日本では品質の不安定や不均質を嫌う傾向があり、特にコストが重視されるプロジェクトではクレーム予防の観点からも工業製品である偽木建材がよく使われる。最近は、プロが見ても本物との違いがわからないほど技術も発達し、本物の木を使う機会が少なくなってしまった。木本来の温かみや柔らかさは天然の木でしか味わえないので、施主の好みに応じて使っていきたい。木目・色目・品質の良いアメリカ広葉樹には注目しており、今後も取り入れていきたい」と語りました。

講演会後は懇談会も開催され、アメリカ広葉樹への理解が深まり、日米の建築家による交流の機会となりました。