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ブログ 2018.6.13 【デザインの先にまで考えの幅を広げる】UDS中原典人がICSカレッジオブアーツ特別講義に登壇しました

ICSカレッジオブアーツでの公開特別講義「IWAKURA Morning Lecture」にUDS COMPATHの中原典人が登壇。「これからのブランディングとデザイン」をテーマに、設計やデザインを学ぶ約150名の学生に向けお話させていただきました。

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UDSは企画・設計・運営を一気通貫で手がけていることが特徴。講義のはじめに、中原はブランディングという側面から見たポイントを語りました。
「今までの事業スキームだと、やりたいことがなかなか世の中に浸透しないということがありました。そこでUDSでは、新しいプロジェクトを手がける時に、企画・設計・運営全ての領域のスタッフが参加し、自由に意見交換をしながらものづくりを行なっています。そうすることで、最初に企画や設計が意図していたことが運営でも定着できるようになるし、運営からのフィードバックがあることで、次に手がける企画や設計に活かすことができます」

意識やプログラムの切り替えからブランドをつくる

代々木VILLAGEホテル アンテルーム 京都RICOH FUTURE HOUSE神保町ブックセンターなど、実際のプロジェクトを通して、企画の立て方や店づくりのポイントを紹介します。

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中でも、特にブランディングの参考として学生の皆さんの関心を集めたのはNODE UEHARA

●NODE UEHARA(東京・代々木上原)
NODE UEHARAは飲食店舗(1F・B1F)と住宅(2F〜4F)の複合施設。普通は切り離されてまちの中に存在する要素が一体となったモデルです。1Fでは入口付近にグローサリーショップがあり、その奥にカフェレストランが広がります。

(NODE UEHARA) 1F入口のグローサリーショップ
(NODE UEHARA) 1F入口のグローサリーショップ
(NODE UEHARA) 1F奥のカフェレストラン
(NODE UEHARA) 1F奥のカフェレストラン

参考にしたのは海外で訪ねた、ミートショップ(お肉屋さん)の事例。

「ショップが手前にあって、その奥に同じ店が経営するレストランがあったんです。ショップで店の特徴を出して、お客さんに期待を感じさせ、奥のレストランへと誘導する仕組みでした。NODE UEHARAではその体験を元に、事業やデザインを組み合わせました」

企画では、このような発想も大切だと言います。「ブランディングはちょっとした意識やプログラムの切り替えが大事。1から作るものだけがブランディングというわけではなく、既にあるものの組み合わせやプログラムを変えることで、新しいものが生まれることもあります。」

いいブランドを育てるため、大切にしている仕事のスタイルとは

後半では企画のコツに加え、仕事のスタイルとして中原が大切にしている点をお伝えします。

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1. コラボレーション
世の中には優れたインテリアデザイナー、造園家などが数多くいます。そういう人たちとコラボレーションをすると、プロジェクトを一緒に実現する時に『どう実現するのか』を学ぶことができます。いい人にはいい繋がりがある。アンテナを張って、いい繋がりを作ることがとても大切だと思っています。

2. 実際に使う人に意見を聞くこと
ワークショップなどで、実際に使う人と一緒にアイディアを出すのはとても大事。表層的なデザインだけではなく、実際に使う人の意識がどこにあるのかを聞くことで、未来を考えることができるからです。

3. 余白を作ること
はじめにコンセプトを決めますが、余白がないとそのデザインを押しつける感じになってしまうこともある。5年、10年経った時に飽きられてしまうんじゃないかと思うんです。少しずつ、運営していく中で柔軟に変わっていけるように余白を作るようにしています。

デザインの先に考えの幅を広げる

おわりに、デザインを勉強する学生に向けたメッセージを伝えました。「企画・設計・運営が一体となることで、新しい化学反応が起きます。デザインの先にある企画や運営まで考えの幅を広げていくと、アイディアが格段に広がるのではないでしょうか」

講義の参加者は、半分以上が海外留学生。さらなる海外プロジェクトを進めていくにあたり、考えを共有する貴重な機会となりました。